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過去の事故に学ぶ撮影現場の安全配慮 - 映像製作保険

過去の事故に学ぶ撮影現場の安全配慮

  1. 高所作業は二人一組で行うべし

    カメラクレーンやタワーイントレから転落したという事故はあまり聞きませんが、注意すべきは
    脚立からの転落です。
    脚立の一番上の狭い部分に両足を乗せて作業していたところ、バランスを崩して作業スタッフが転落した。または脚立自体が転倒して、作業スタッフが転落した。という事故がありました。
    高さは2m位ですが、打ち所によっては死亡や寝たきりといった重大事故になりますし、骨折は充分あります。

    対策

    ・ヘルメットを着用する。

    ・二人一組で作業を行い、下のスタッフが脚立を支え、上の作業者の動向に注意する。

    ・脚立の一番上の狭い所に両足を置いて作業しない。このような時は脚立を二脚用意し、板を渡して作業スペースを確保すること

  2. 一般の通行人、自転車が横を通る屋外ロケは要注意である

    撮影現場に通りかかった通行人や自転車が撮影に気を取られて、電気ケーブルに引っ掛って転倒。
    傷害を負うという事故がありました。ケーブルに限らず撮影機材の突起物も危険です。

    対策

    ・電気ケーブルはきちんと養生を行い、むき出しで路上に這わせないこと。

    ・スタッフを付けて、通行人に注意を呼び掛けること。

    ・撮影機材は極力、一般通行人の動線の近くには置かないこと。

  3. 夜間の道路撮影は危険です

    時代を反映して、高齢運転者も多くいます。良く見えない夜間に撮影に気を取られたスタッフがうっかり車道に出てしまったら・・。極めて危険です。

    対策

    ・蛍光板や蛍光服、ライト等でドライバーにはっきり視認してもらえるようにする。

    ・監視スタッフを置いて、車両の接近を大声で伝える。

  4. ボランティアで撮影に参加するエキストラの方々には特に配慮が必要です

    「映画が好き」「この原作が好き」「キャストが好き」など理由は様々ですが、ボランティアで撮影に参加するエキストラの方々は皆様熱心で、撮影隊の指示に忠実に動こうとする一方、撮影現場に不馴れです。つまり、不安定な状態にあるわけで、演技で動いてもらう場合は充分、安全配慮が必要です。

    対策

    ・演技指導は「具体的で分かりやすい」こと。

    ・管理者にはベテランスタッフを配置し、充分な目配りをすること。

  5. スタッフ個人の車は極力使わない

    撮影作業に車は欠かせませんが、不馴れや運転経験不足による交通事故も時に起こります。
    この場合、運転者個人に加え、製作会社も責任を負います。(運行供用者責任、使用者責任)自賠責保険は適用できても、任意保険は運転者の年齢条件の制約により保険適用出来なかったとう事例もあります。

    対策

    ・車両会社を使う。

    ・保険が完備されているレンタカーを使用し、個人車は使わない。

    ・雪道は極めて危険、未経験者には絶対に運転させないこと。